古くから日本に根付いてきたFAX文化。
世帯別のFAX保有率は年々減少傾向にあり、特に若い世代での利用率が低く、今後も更に減少していく可能性が高いです。
平成 30 年通信利用動向調査の結果( 総務省 2019年)
しかし、令和になった今でも、企業間取引ではFAXでの注文が続いています。
この記事では、その理由とFAXに代わる次世代の企業間取引についてご説明します。
企業間取引におけるFAX受発注が無くならない理由とは?
FAX受発注が企業間取引でなくならない理由として主に3つ挙げられます。
①ビジネス文化の保守
理由の1つ目としては、長く続いてきた商習慣がそのまま継続されているからです。
業務の運用そのものを変えることに対して、抵抗を感じる企業が多いです。
「FAXを変えないと・・・」と思っていても、変えることに対しての工数がかかると予測し、後手になっているケースがみられます。
②セキュリティとプライバシーの重視
2つ目の理由は、セキュリティ性を担保できるからです。
発注側は特定の番号を入力の上、送信が出来る点から、第三者へ情報が漏洩される不安を感じる必要がありません。
③信頼性と確実性
3つ目の理由は、番号を入力した相手へ確実に送信されるからです。ほとんどの企業がFAXをまだ所有しているので、注文書に限らず、ダイレクトメールやチラシ等の販促物も未だにFAXで送る企業が多いです。
FAX受発注の長所:企業が続ける理由は?
そもそも企業間取引をFAXで行うメリットは何なのか。
主に3つメリットがあります。
①ネット環境がなくても使えること
FAXの回線はオフラインの環境でも利用できるのが強みです。
インターネット環境が使えない非常事態が起きたとしても、FAXの受送信は可能です。
また、インターネットを介したやり取りは、悪質なアクセスをされると、外部に漏洩するかもしれないというリスクを考慮する必要があります。
②履歴の確認が簡単なこと
紙として残ることもFAXの強みです。
受信した側は物理的に形として届くので、分かりやすく安心性が高いことがメリットとして挙げられます。
③誰でも送信が出来ること
FAX機器さえあれば、ITリテラシーがない人でも、手書きで注文書発行ができることが3つ目の強みです。つまり業務に対しての人材育成のコストが低いことがメリットになります。
また専用のシステムや設備を用意する必要性がないので、初期費用のコストがかからないのも実現性が高い要因です。
FAX受発注の短所:企業が悩んでいる理由は?
上記の通り、FAXにはメリットがある一方、デメリットも挙げられます。
ここでは企業が抱えるFAX注文のデメリットについて説明します。
①デジタル化に適応できていないことに対しての不安
日本企業でも、コロナ禍以降テレワークが普及してきました。
ただしFAXを利用する以上、FAX機器のあるオフィスへ出社する必要があり、時代に適応できないことが1つ目のデメリットです。
②人為的ミスによるセキュリティリスク
インターネット環境を使わなくても注文が出来るというセキュリティの安全性がある一方、人為的なミスによるリスクをFAXは持っています。
例えば、相手の番号を間違って入力した場合、誤送信されてしまうので、第三者への漏洩リスクがゼロではありません。また、紙として残るため、本来送りたい相手以外にも見えてしまうこともセキュリティ的に危険性を伴います。
③業務効率の低下
1つ目のデメリットにも記載した通り、FAX機器がある環境でないと受発注の業務は行えません。
そのため、時間や場所の制限によって業務効率を悪くしてしまうことが3つ目のデメリットです。
また、FAXは文字が潰れてしまう可能性があり、目視での確認工数が出てくることも生産性を下げてしまいます。手書きの場合は、書き手の人によって見やすさが変わるのも、確認に工数がかかる理由の一つです。
④顧客とのコミュニケーションの障害
FAXは番号さえ分かっていれば、どこでも連絡できるメリットがありますが、一方的なコミュニケーションのため、双方的でないことがデメリットとして挙げられます。
そのため受信側は、追加の商品提案ができず売上単価をアップさせる機会損失があります。
また、文字が潰れてしまった場合、送信者側に確認の連絡を入れる必要があるため、本来1回で済んだコミュニケーションが複数回になる可能性もあり、工数がかかってしまうのもFAXの特長です。
FAX受発注の代替案
では、FAXに代わる注文形態は何か?いくつかご紹介します。
①クラウドFAX(インターネットFAX)
クラウドFAXとは、オンライン上でFAXの送受信を行えるサービスです。
注文されたデータはPDFファイルに自動変換され、そのデータを受信者側はブラウザやメールで確認できます。
ペーパーレス化を実現できる手段ではありますが、送信者側が番号を入力することに変わりはないので、誤送信による人為的なミス削減を解消させることは出来ません。
また、受信者側は、いつでもどこでも注文内容を確認できるというメリットはありますが、それ以外の業務効率化はされません。手書きの文字の確認などの工数が変わらず必要なため、作業工数は変わらないことがデメリットとして挙げられます。
②Web EDI
Web EDIは、インターネット上で企業間取引を行うシステムです。Web EDI上で注文されたデータをオンラインで確認できたり、決められた帳票をダウンロードすることができます。
ただし、発信者・受信者共に同じシステムに合わせる必要があるため、事前に運用の取り決めをしないといけません。
また、受けた注文に対して、受注・在庫引当等を行うのみなので、受動的なコミュニケーションしか取ることが出来ません。
③WEB注文
WEB注文は、インターネット上で商品を選択して発注する仕組みです。
いつでも・どこでも注文が出来るので、テレワークの推進や業務の生産性を高めることが出来ます。
またインターネットを介して注文をするため、データとして注文内容が残り、受注登録業務の時間とミスを削減させることが可能です。
更に、WEB受発注のシステムはメルマガや通知機能を保有しているので、一方的な連絡ではなく、双方的なコミュニケーションを取ることが出来ます。
まとめ:FAX注文をなくしたいのであれば、WEB注文に切り替えるべき
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