バックオフィス業務の効率化方法とは?システム導入のメリットを詳しく解説

バックオフィス業務の効率化方法とは?システム導入のメリットを詳しく解説

昨今、DXによる働き方改革が推進される中でバックオフィス業務は未だに多くのアナログな業務が残り、これに課題を抱える企業が少なくありません。こうした状況から、バックオフィス業務を根本的に見直す必要性が浮き彫りとなっています。
そこで今回は、バックオフィス業務とは何、どのような課題を抱えているのか、そしてシステムを導入するとどのようなメリットがあるのかなどについて詳しく解説します。

1.バックオフィス業務とは何?

バックオフィス業務とは、経理や人事、総務等の、直接顧客とは関わず、フロントオフィスの後方支援にあたる業務です。自ら利益は生まないものの、ヒト・モノ・カネ・情報という重要な経営資源の管理に携わり、企業経営の根幹を支える業務になります。
特に、卸売企業のバックオフィス業務では、見積書作成や基幹システムへの受注登録等の受発注業務、在庫管理業務、出荷業務、請求業務なども挙げられます。

2.バックオフィス業務における課題は?

本段落では、バックオフィス業務で抱えている課題について詳しく説明します。

2-1 業務が属人化している

バックオフィス業務は主に事務的な作業が中心であり、一部の担当者に業務が集中するケースが多いため、個々の従業員によって独自の作業ルールが生まれやすく、属人化してしまうことがよくあります。
また、既存のクライアントから「いつもの商品で」や「前回と同じ内容でお願いします」といった注文が頻繁に寄せられることがあり、このような注文には経験豊富な担当者やベテラン社員でなければ十分な対応が難しく結果的に業務が属人化してしまいます。
そのため、確認不足によってミスや不正が発生してしまうことや、担当者の退職時・不在時にスムーズな引き継ぎが行われないことがあり、結果的にクライアントに迷惑をかけてしまう可能性があります。

2-2 ヒューマンエラーが起こる。

従来のFAX、電話および対面訪問などを通じて行われる受発注業務では、常に読み間違いや聞き間違いなどのヒューマンエラーのリスクがつきものです。その度に顧客に確認を行ったり、誤発注の対応に追われ、無駄な時間とコストが掛かっています。
このようなヒューマンエラーは業務フローの見直しやダブルチェックの実施などの対策を講じることで、一定程度改善できますが、その代わりに余分な人手が必要となります。
また、どうしても人が介在するためミスの発生を完全にゼロにすることが困難であり、繁忙期などに業務が増えるとミスが発生しやすくなる傾向があります。従って抜本的な改善が不可欠です。

2-3 メインの業務以外に工数がかかっている

バックオフィス業務は、事務担当者だけでなく営業担当者や他の担当者も兼務して行うケースが少なくありません。通常、営業担当者はクライアントとの関係構築や新規取引の獲得に注力すべきですが、バックオフィス業務の事務作業に追われることで、本来のメイン業務から逸れざるを得ない状況が生まれます。これは業務の効率性を損なうだけでなく、担当者の専門性を活かしきれない課題となっています。

3. バックオフィス業務を効率化するためには?

これらの課題を解決するために有効な、3つの対策を紹介します。

3-1 人材確保・育成

バックオフィス業務課題の解決策の一つとして、人材の採用・育成が挙げられます。現在の業務負担や仕事量に応じて適切な人材を確保・育成することで、負担の軽減、業務効率化していくことが求められます。
しかし、近年日本が直面している少子高齢化による労働力不足という深刻な問題があり、適切な人材を迅速に採用することが難しい状況です。さらに、将来的には定年制による退職者の増加も見込まれるため、これに対処しつつ新たな人材を確保し、同時に現在の社員の定着率もアップさせることが重要です。そのためには、組織の体制整備や求める人物像の明確化、採用条件の見直しなどを検討し、計画的に取り組む必要があります。

3-2 業務委託・外注

人材の育成や採用が時間的または経済的に難しい場合、代わりに業務委託や外注を検討することで、手軽に必要な人材を確保することができます。特に、生産性の低い業務や周辺業務を外注することで、自社の従業員はコア業務に集中でき、業務の効率化が期待できます。
ただし、外注は利用し続ける限りコストがかさんでしまい、これまで自社で進めていた業務が外注先に依存することで逆にコストが高まる可能性があります。
また、外注によりバックオフィス業務のノウハウが自社内に蓄積されなくなり、業務内容の把握や品質の管理が難しくなるリスクも存在します。従って、外注先に丸投げするのではなく、自社内でも業務の整理や外注先との密接なコミュニケーション、情報の共有・管理が必要です。

3-3 システム導入

近年、人材不足の課題や働き方改革の動きからDX化が推進され、多くの企業がシステムを導入しバックオフィス業務の効率化に注力しています。システムによって人が担当していた業務が自動化され、業務プロセスの効率化や生産性向上が期待されます。同時に、リモートワークやペーパーレス化等も可能になり、業務の属人性を回避することができる利点もあります。
一方で、留意すべき点はシステムの導入および運用に伴うコストです。システムの採用には業務工数や人件費の削減が期待されますが、その具体的な数値を試算し、費用対効果が適切であるかどうかを検討することが非常に重要です。

4. 受発注システムを導入するメリットは?

抜本的な改革には、システム導入によるアナログ業務のデジタル化・DXが必要不可欠です。
本段落では受発注システムを導入することによって得られるメリットを解説いたします。

4-1 企業全体の生産性/サービスの質の向上

システム活用により、企業の中核であるバックオフィス業務のフローが自動化・標準化されることで、企業全体の生産性が向上し属人的な業務を解消することができます。同時に、情報やデータをデジタルで管理・連携することで、作業の正確性が向上し、ヒューマンエラーを事前に防ぐことが可能です。さらには、デジタル化による大幅な工数削減により、企業は非効率的な業務から解放され、コア業務により一層注力できるようになります。
そして、デジタル変革によって生じる余剰人材は、従来のバックオフィス業務からフロントオフィスなど他の部門に配置転換することができ、変化する市場環境に迅速かつ柔軟に対応することも可能となります。

4-2 コスト削減

業務プロセスの効率向上により業務時間が短縮され、結果的に残業や休日出勤の頻度が減り、それに伴い人件費の節約や新たな人材の採用コストの削減が期待できます。
また、業務が整備・標準化されることにより、人材育成費用も大幅に削減することが可能です。特に負担の大きいバックオフィス業務では、残業代や育成コストがかさんでしまうリスクがあるため、優先的に効率化が求められます。
さらに、文書や資料のデジタル化により、不要な印刷や文房具の使用が減り、これに伴う紙やインク、印刷代といった固定費や消耗品費、その他の雑費等のコストも抑えることが可能です。この取り組みは企業の経済的な健全性を向上させ、自社の経営資源をより効率的に活用することにも寄与します。

4-3 従業員満足度の向上

バックオフィス業務を効率的に進めることで、従業員の疲労や残業時間が軽減され、ワークライフバランスが改善されます。これにより、従業員は会社への満足度が高まり、モチベーションも向上します。
その結果、仕事のパフォーマンスが向上し、離職率が低下するだけでなく、企業イメージの向上につながります。
さらに、ITシステムを活用することで、短時間勤務、フレックスタイム、リモートワーク等の柔軟な働き方が導入され、働き方の多様化が可能になります。
企業はシステム導入によって、効率的で柔軟性のある労働環境を整え、従業員の生産性と満足度を向上させることができます。

5.まとめ

今後ますます人材不足の問題が深刻化し、人材確保や手動で対応するのが難しい状況になりつつあります。この課題に対処するには、根本的な変革が必要であり、その一環としてシステムの導入が不可欠です。
特に、BtoBのバックオフィス業務を効率化したい企業にとっては、まず高頻度かつ高負荷である、企業間の受発注業務をDX化することがおすすめです。
日本の企業間取引における受発注業務は複雑で、日本特有の商習慣だけでなく業界ごとにも異なる慣習があるため、BtoB向けの専用ECシステムを選ぶことが非常に重要です。BtoB-ECシステムを導入することで、受発注にかかる工数を大幅に削減でき、企業全体の生産性・サービスの質を向上させることが可能です。
受発注業務で「手動での注文処理を行っており工数がかかっているため、コア業務に時間を割けない」「帳票類など膨大な書類のやり取りが発生している」などのお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ受発注システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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