決済の選択肢はできるだけ多くするべき?BtoB-ECに最適な決済方法とは

決済の選択肢はできるだけ多くするべき?BtoB-ECに最適な決済方法とは

BtoB-ECを開始する際には、事前に適切な支払い方法を準備する必要があります。しかし、複数の支払い方法から最適なものを選ぶのは簡単ではありません。さらに、取引相手が選択できる支払い方法の幅を広げることも重要です。

この記事では、BtoB-ECに適した支払い方法について、実例を挙げながら詳細に解説していきます。

そもそもBtoB-ECサイトとは?

BtoB-ECサイトは「B2B」とも表記する「BtoB」と、「EC」を組み合わせて作られた言葉です。BtoBは「Business to Business」の略で、法人同士で行う取引を指します。ECは電子商取引を意味する「Electronic Commerce」の略で、ECサイトは商品やサービスの売買に関わる一連の取引をインターネット上で行えるように設けた販売サイトです。つまり、BtoB-ECサイトとは法人間の取引で利用するために設置されたECサイトを意味します。ちなみに、企業と消費者間の取引はBtoC(Business to Consumer)、消費者同士の取引はCtoC(Consumer to Consumer)です。

法人と法人の間で行われる取引の場合、CtoCやBtoCのような個人を取引相手にするケースと比べて取引単価が大きく、関係が継続的に続く傾向にあります。さらに、付き合いが長いなど取引関係の深さによっては信頼関係のうえで成り立つ掛売りが行われることも少なくありません。掛売りとはお互いの承諾のもとで行われる後払いです。通常であれば、商品やサービスを提供するタイミングで代金の支払いが行われます。しかし、掛売りの契約をしている場合には、約束した期日までに支払いを行うことを前提に、先に商品やサービスを提供します。

BtoB-ECサイトに適した決済方法とは?

それでは、BtoB-ECサイトの運営において、どのような決済方法が利用可能なのでしょうか。ここでは、BtoB-ECサイトに最適な5つの決済方法を紹介します。

1. クレジットカード決済

キャッシュレス決済の普及と共に、利用者が増加しているのがクレジットカードです。個人向けの企業や店舗だけでなく、法人同士の取引でも広く利用されています。クレジットカード決済の魅力の一つは、入金確認の手間が軽減されることです。クレジットカード会社を介して毎月決まった日に自動的に入金されるため、各取引ごとに都度の入金確認が不要です。

また、クレジットカードを導入することで、与信管理を独自に行う手間も省けます。クレジットカードの利用は、審査に合格する必要があり、クレジットカードを使用できるということは支払いにおいて一定以上の信用がある企業とも言えます。

加えて、請求書の発行もクレジットカード会社が行うため、書類の作成や発送にかかる手間も軽減されます。

ただし、クレジットカード決済の導入には決済手数料が発生する点に注意が必要です。また、企業によってはコーポレートカードを保有していない場合や、個人がクレジットカードを所有していてもBtoBでの利用に抵抗感を抱く場合があります。このような場合、クレジットカード以外の選択肢を提供することが重要です。顧客を逃してしまう可能性があるため、クレジットカード決済のみを提供する際は注意が必要です。

2. 銀行振込

以前から広く利用されている銀行振込は、多くの人にとって馴染み深い支払い方法です。取引先に振込先の金融機関と口座を事前に伝え、取引代金を支払期日までに振り込んでもらう仕組みです。銀行振込の利点は、商品の発送前に入金確認ができ、未払いのリスクを軽減できることです。

ただし、商品の発送が入金確認後となるため、納期が長い取引を行っている企業が利用しやすい支払い方法と言えます。一方で、商品やサービスの提供前に支払いを求めることになるため、取引先によっては警戒心を抱く可能性があります。また、振込日は取引先によって異なるため、入金確認の手間が増加します。取引が頻繁な場合は、web上で入金確認ができるバーチャル口座を活用することで手軽に入金管理が行えます。

3. 口座振替

口座振替は、事前に金融機関に登録し、指定口座から自動で一定期間ごとに代金が引き落とされるサービスです。引き落としタイミングと金額は予め設定します。継続的な取引に適していて、手数料が他の決済手段に比べて安価なのが利点です。たとえば、銀行振込では都度手数料が発生しますが、口座振替ではそれが軽減されます。代金は取引先の口座から自動的に引き落とされるため、支払いを忘れる心配がなく、取引先にとっては、都度振込手続きも不要で手軽です。ただし、十分な残高がない場合は引き落としできず、未払いとなる可能性があります。

また、口座振替を始めるまでには登録から1~2カ月ほどの時間がかかることに注意が必要です。金融機関や登録時期によっても異なりますが、手続きに時間がかかることがあります。

4. 代金引換

代金引換は、宅配業者が商品を届ける際に代金の受け取りも行う決済方法です。取引先は商品受け取り時に、取引金額と代引手数料を宅配業者に支払います。宅配業者は受け取った代金から手数料を差し引いた残額を企業に振り込む仕組みです。代金引換は振込手数料がかかりますが、商品引渡しと同時に代金を確実に受け取れるため未払いのリスクが低いです。取引先も商品受け取りと同時に支払いが可能で、安心感があります。

ただし、代引手数料が別途発生するため、これに抵抗感を持つ企業も存在します。また、取引が円滑に進まない可能性もあるため、慎重な取引が求められます。代金引換は商品の引き渡しと代金支払いが同時に行われないと成立しないため、担当者不在や現金不足が原因で取引が遅れることがあります。

5. 掛売り

掛売りは、取引別ではなく一定期間ごとに支払いをまとめて行う方法です。短期間に複数回の取引があり、それに伴って支払い回数が多い法人間の取引では一般的な決済方法です。複数回分の取引をまとめて支払うため、手続き負担や時間の節約ができます。また、取引は資金がある限り行えるものですが、掛売りであれば後払いとなるため資金繰りがしやすく、大きな金額でも取引がしやすくなります。btobでは最も需要が高い決済方法であり、取引先のニーズに合わせやすいのもメリットです。

ただし、商品の引き渡し後に支払いを受けるため、未払いリスクが比較的高い決済方法です。未払いを避けるためには、事前に取引先の与信審査を行い、与信限度額を設定するなどの対策が必要です。BtoB-ECサイトは広域性が魅力ですが、取引対象となる企業が中小零細企業も含まれる全国各地に広がるため、与信審査が困難となり、未払いリスクが高まる可能性もあります。

BtoB-ECでは選択可能な決済方法を増やすべき?

BtoBで展開されるECは、一回の取引額が膨大であり、取引が持続的に行われるなど、ビジネスとして多くの魅力があります。そのため、決済方法が取引の機会を制約することは大きな損失となります。逃してしまったビジネスの機会を競合他社に取られてしまうリスクもあります。そのため、可能な限り多岐にわたる決済方法を用意しておくことが賢明です。決済方法のバリエーションが多いほど、取引先の要望に迅速に対応できる可能性が広がります。

ただし、新たな決済方法を導入する際には、その分、企業が負担する手間が増加することも考慮しておくべきです。例えば、クレジットカードや口座振替を支払い手段として組み入れる場合、それぞれのクレジットカード会社や金融機関に対して個別に申し込む必要があります。手続きの手間を最小限に抑えたい場合は、決済代行会社の活用も視野に入れると良いでしょう。

取引先に応じて決済方法を変えられるBtoB-ECシステムが便利

BtoB-ECサイトでは、取引が長期化することが一般的であり、取引の進行に伴って最適な決済方法が明確になっていきます。取引を重ねる中で、企業ごとに最適な決済方法が異なるため、できるだけ多くの企業に利用してもらうためには、決済方法の幅を拡げておくことが重要です。ただし、単に選択肢を充実させるだけでなく、各取引先が柔軟に決済方法を選択できるようなシステムも整備しておく必要があります。BtoB-ECカート「楽楽B2B」では、銀行振込やクレジットカードなど複数の決済方法から、取引先ごとに自由に選択できます。さらに、各取引先ごとに異なる掛率や指値、ロット単位の割引の設定、取引先ごとの商品表示なども柔軟に対応でき、利便性が高まっています。

まとめ

btob-ecの運営においては、決済方法の選択肢を増やすことが重要です。しかしながら、ビジネスの成功には決済方法以外の課題にも対処する必要があります。決済方法の拡充によって運用の負担が増すことは避けるべきです。そのため、決済方法の多様化と同時に、入金管理が容易で取引先ごとに柔軟な設定が可能なBtoB-EC専用のカートの導入がオススメです。

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