BtoB-ECとBtoC-ECの違いとは?BtoB-ECの特徴を解説

BtoB-ECとBtoC-ECの違いとは?BtoB-ECの特徴を解説

BtoB-ECが注目を浴び、市場も拡大しています。自社での導入を検討している担当者もいることでしょう。しかし、これまで一般的だったBtoC-ECとは具体的に何が異なるのか、その違いをよく理解していない方もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事ではBtoB-ECの特徴やBtoC-ECとの違い、そして注目されている理由や構築方法について詳しく解説します。

BtoB-ECとは何か?

BtoB-ECのECは、Electronic Commerceの略で、インターネットを介して行う商品やサービスの取引を指します。そして、BtoBはBusiness to Businessの略で、「法人間で行われる電子商取引」を指します。つまり、BtoB-ECは法人間の取引を行うインターネット上のサイトを指します。

BtoB-ECとBtoC-ECの違いは?

BtoB-ECよりも広く一般的なのがBtoC-ECです。これらの2つは似ている面もありますが、その違いをしっかり理解しておくことが重要です。最も大きな違いは「電子商取引の相手が企業か一般消費者か」という点です。BtoB-ECは法人間で行われる取引やそのサイトを指し、対象は法人です。一方、BtoC-ECはBusiness to Consumerで、対象は一般の消費者である個人です。

BtoC-ECでは、商品やサービスを購入する個人にはさまざまなタイプが存在します。商取引の相手は幅広い消費者であり、商品やサービスは同じ価格で提供されることが一般的です。購入までの意思決定が感覚的でスピーディなのが特徴で、商品やサービスを実際に利用する人と購入者が同じことが多いです。商品に対する感性や好みが影響することが多いため、比較的簡単に購入が行われます。

一方、BtoB-ECの取引相手は法人であり、商品やサービスは高額なことが一般的です。購入を決定する人と利用者が異なる場合もあり、購入までには複数の担当者が関与することが一般的です。購入までに時間がかかり、採算性や費用対効果が検討されることが多いです。価格設定も取引先ごとに異なることがよくあります。

BtoB-ECが注目されている理由

2022年のBtoB-EC 市場規模は、前年比12.8%増の420兆2,354億円

経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、日本のBtoB-EC市場は2022年度に420兆2354億円に達し、毎年右肩上がりで拡大しています。これにはいくつかの理由があります。

3-1. 働き方改革で業務の効率化が求められていること

BtoB-ECが注目され、市場が拡大する大きな要因の1つは、働き方改革です。働き方改革は労働力不足の解消を目的としており、業務の効率化が求められています。BtoB-ECは法人間の商取引を効率化する手段として期待されています。従来の電話やFAX、メールでの商取引は手間がかかり、ミスが生じやすいですが、BtoB-ECを導入することでこれらの課題を解決できます。発注する企業は在庫を確認しながら注文を入力でき、受注する企業は注文データをそのまま活用して請求書を発行できます。これにより、業務の効率が向上し、働き方改革に寄与します。

3-2. 国内のITインフラが整備されたこと

国内のITインフラの整備もBtoB-ECが注目される理由の一つです。従来は特定の企業に注力することが一般的でしたが、ITインフラの整備により全国どこでもアクセスできるようになり、新たな取引先が増えました。日本全体が商圏となり、地理的な制約が緩和されました。インターネットを活用したビジネスモデルによって、業務効率化が可能となりました。

3-3. デバイスが普及したこと

デバイスの普及もBtoB-ECが注目される理由の一つです。特にスマートフォンの普及により、多くの人が日常的にインターネットに接続するようになりました。これにより、取引がしやすくなり、BtoBの取引候補が増加しました。

BtoB-ECサイトの構築手法

BtoB-ECの構築方法には主に3つの手法があります。それぞれの特徴について詳しく解説します。

4-1. クラウド(SaaS)型

SaaSはSoftware as a Serviceの略で、クラウド上で提供されるソフトウェアを指します。クラウド(SaaS)型のBtoB-ECは、ブラウザを通じて利用者が利用でき、インストール作業が不要なため手軽に始められます。パッケージ型と異なり、ユーザーが独自の環境を用意する必要がありません。クラウド上で提供されるため、常に最新の状態が維持され、陳腐化の心配がありません。ただし、カスタマイズが難しいため、企業の状況に合わせて柔軟に構築するのが難しい場合があります。

現在では利便性からクラウド(SaaS)型が選ばれることが一般的です。外部システムとの連携が可能なものを選ぶことが重要です。

4-2. スクラッチ開発型

スクラッチ開発は、開発会社によって個別に依頼し、自社に合わせた独自のシステムを構築する手法です。実際の業務フローに合わせたシステムを構築できるため、非常に柔軟性があります。FAXやメールによる受発注との連動や、既存の基幹システムとの連携なども可能です。基幹システムとの連携ができれば、全社的に受発注状況が確認でき、一元管理が容易になります。しかし、システムの開発には時間と莫大な費用がかかります。高い拡張性を持つ手法ですが、中小企業が導入するのは難しいことがあります。

BtoB-ECの事例

BtoB-ECの代表的な成功事例として挙げられるのが「モノタロウ」です。モノタロウは工場用間接資材に特化したECサイトであり、約35万点のプライベートブランド商品を扱っています。1800万点以上の商品を細かくカテゴライズし、ユーザーが簡単に商品を見つけることができるような工夫がされています。注文コードと数量を入力するだけで注文できるクイックオーダーシステムも導入されており、ユーザーにストレスを感じさせないサイトとなっています。最短で当日の出荷に対応し、複数の問い合わせチャネルも用意されています。これにより、BtoB-ECがユーザーフレンドリーなものとなり、成功を収めています。

まとめ

BtoB-ECを導入することで業務の効率化が図れ、生産性が向上します。電話やメール、FAXでの受発注を効率的に処理でき、人的ミスや情報漏洩のリスクを低減できます。フルスクラッチでは費用がかかるため、使い勝手の良いBtoB-ECカートから導入することを検討してみると良いでしょう。

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